プレス・ ポストプレスのCIP(PPF)オンライン運用について

1. CIP4、PPFとは

プリプレス・プレス・ポストプレスの工程統合管理のための国際標準化団体(The International Cooperation for the Integration of Processes in Prepress, Press and Postpress Organization)の名称。前身のCIP3が提唱したインキキープリセットやポストプレスのためのプリントプロダクションフォーマット(PPF)がベースで、多くのメーカーが参加しXML化し業界標準として定着している。

CIP4とは: http://www.cip4.jp/introduction/who_is_cip4.html

2. 印刷・製本のCIP(PPF)オンライン運用メリット

PPF運用は、すべての工程の中で特に印刷・製本工程の小ロット・短納期・品質安定・用紙削減に重要な役割を担っている。

a. 迅速:データはLAN転送、一発見当・色合わせによる準備時間の短縮、予備紙の削減

b. 柔軟:予定変更・割り込み・小ロット作業に対応

c. 安心:作業データの保存・呼び出しによる定期・再版時の作業性向上、品質安定

3. PPFによる機器運用

当社ではCTP稼働を印刷以降の工程で生かすためにPPFオンライン運用を2002年に開始した。

第1段階は既設印刷機のオンライン化、第2段階は新規導入の印刷機、第3段階として紙折機の運用となり、断裁機・中綴機も稼働可能となっている。

a. 印刷機

第1段階のPPFによる既設印刷機の運用は小森コーポレーションと共同開発。製作工程・製版工程のデジタル化を既設印刷機(菊全4色機・菊半5色機を改造)まで拡げることにより前準備の短縮・品質安定に対応し、作業予定表から作成されたスケジュールデータを活用し小ロット化・短納期・再版・割り込み作業に適応することを目的とした。

システムは大日本スクリーン製造のプリプレス(RIP済)データ(PPF)をコモリPQCデータ(インキキープリセットデータ)へ変換後LAN接続された印刷機のパソコンへ転送する。本システムではそれと共に、印刷絵柄のプレビューならびにスケジュールデータの通信と保存が可能。また第2段階ではオンライン対応機を導入し同様の運用をおこなっている。

b. 折り機

第3段階は大日本スクリーン製造とハイデルベルグジャパンの協力により稼働。刷版面付けデータから紙寸法・トンボ位置などをCIP3データ(PPFデータ)としてLAN接続パソコンへ転送。このデータで折機(HEIDELBELG/STAHL KD66 DCT2000Control)の折羽根(断裁)の位置を決め準備時間を短縮し、作業情報の保存・呼び出しにより割り込み作業や定期・再版などの作業に対応している。

折加工(断裁)では紙厚・紙目、山折り・谷折り、折り→断裁(頁物)・断裁→折り(カタログ)など製品仕様によって必要な情報が変わるので作業前の製本設計・見本製作が欠かせない。

またPPF運用によって印刷と製本加工の工程ギャップが少なくなれば納期・コストのメリットがでる。

Page Top