真朱(しんしゅ)

今日いう朱色は水銀を原料とする人造の銀朱であるのに対し,天然に産する朱砂を真朱として区別した。銀朱よりくすんだやや紫みの色である。

(DIC株式会社/DIC color guide「日本の伝統色」より N-971)

これまでの背景色(2019年1月~)

5月:群青色(ぐんじょういろ)

群青色(ぐんじょういろ)

ウルトラマリン(ultoramarine)で,藍銅鉱から採る鉱物顔料の色。日本画の絵の具にもある。人工の群青もあり,アートウルトラマリン(art ultramarine)という。

4月:浅 緋(うすあけ)

浅 緋(うすあけ)

奈良朝時代に大宝令,平安時代に延喜式が制定され,そのなかで位階による服色の制度がきめられた。それによれば緋(ひ)を(あけ)と読み,これのうすい色を浅緋(うすあけ),濃い色を(ふかきあけ)といった。

3月:若葉色(わかばいろ)

若葉色(わかばいろ)

萌えでた若葉の茂みが陽光を受けて,それを逆光から透して見たときの色は,ことのほかみずみずしい感じであるが,そのような色をいう。
2月:消炭色(けしずみいろ) 消炭色(けしずみいろ)
昔は炭火をよく使ったものだがその消炭の色。日常身近のものから適切な色名をとりだしてくる日本人の繊細な感受性をここにみる。英名のチャーコールグレイ(charcoal gray)がこれに当る。
1月:草 色(くさいろ) 草 色(くさいろ)
草の色のような濃い黄緑をいう。英名でもグラス グリーン(grass green)である。植物の緑はほとんど色相は黄緑の系統であって,青みの緑や青緑のものはない。古い伝統色名の緑はこの程度の色であった。

これまでの背景色(2018年1月~12月)

12月:菜種色(なたねいろ) 菜種色(なたねいろ)
菜種の色,または菜種油の色とする説もあり,いずれにしてもそう違う色ではない。
11月:灰 青(はいあお) 灰 青(はいあお)
灰みかかった青系の色の範囲をいう。無彩色に近い色に灰の形容をつける呼びかたは比較的最近のことで,伝統色名では鼠(ねず)を形容語に用いることが多かった。
10月:栗皮色(くりかわいろ) 栗皮色(くりかわいろ)
栗の実の固い皮の色からきた色名であって,栗色とも言うが,皂色(くりいろ)という別の色名もあることから,混同されないように栗皮色といった。英名にはチェスナットブラウン(chestnut brown)がある。
9月:威光茶(いこうちゃ) 威光茶(いこうちゃ)
茶(ブラウン)という色の範囲からはずれてこのように緑がかった色を茶と呼ぶのは,日本では茶道のお茶の色からきているのであろう。柳茶,鶸茶などと呼ばれる色と同類の色である。
8月:濃色(こいろ) 濃色(こいろ)
今日では濃い,うすいはすべての色相につく形容詞であるが,平安時代には紫が色の代表のようなものだったから特に紫系に対して用いられていた。濃紫と書いて,こきいろともいう。
7月:熨斗目色(のしめいろ) 熨斗目色(のしめいろ)
熨斗目は江戸時代に士分以上の者の礼服として裃(かみしも)の下に着た小袖で,袖の下部身頃に横位置に縞や格子の織模様をいう。この熨斗目に用いられた藍色を熨斗目色という。
6月:楝(おうち) 楝(おうち)
楝は栴檀(せんだん)の古称で,その花の色からきた色名で古くからある色名である。栴檀はせんだん科の落葉きょう木。四月頃,淡紫色または白色の花を開く。果実は条虫駆除剤としても用いられた。
5月:丁字色(ちょうじいろ) 丁字色(ちょうじいろ)
丁字(ちょうじ)は沈丁花(じんちょうげ)に似た木のことで,その木を煎じた汁で染めた色をいい,濃く染めた色が丁字茶,媒染なしでうすく染めた色を香色(こういろ)と言った。
4月:苺 色(いちごいろ) 苺 色(いちごいろ)
苺の熟した実に見る赤紫をいう。英名はストロベリーレッド(strawbery red)である。
3月:錆青磁(さびせいじ) 錆青磁(さびせいじ)
錆(さび)は色がしぶくくすむことの形容であって,青磁色のくすんだ色をいう。
2月:紅藤(べにふじ) 紅 藤(べにふじ)
明治・大正時代に流行した,藤色の赤みがかった色をいう。ライラックの花の色と大差のない色である。
1月:香櫞緑(シトロン グリーン) 香櫞緑(シトロン グリーン)
シトロンの未熟な実の色からきたシトロングリーン(citron green)で,香櫞緑はその訳名であるが,明治時代は外来語にこういった漢語調の訳をすることがよくあった。

これまでの背景色(2017年1月~12月)

12月:菖蒲色(そうぶいろ) 菖蒲色(そうぶいろ)
花菖蒲(はなしょうぶ)に見る紫,伝統色名ではこれを(そうぶ)と呼んだ。あやめ,しょうぶは端午の節句を飾る色で,菖蒲重ねはこの節句の祝儀に用いられた。
11月:黄蘗色(きはだいろ) 黄蘗色(きはだいろ)
黄蘗(きはだ)の樹の内皮を染料とするが,鮮やかな黄色に染まり,堅牢度も高いから黄色みを出すための下染めとして用いられることもあった。
10月:代赭色(たいしゃいろ) 代赭色(たいしゃいろ)
土の成分によって色は多少違ってくるが弁柄とほぼ同じものであり,代赭(たいしゃ)の名は,中国の代州産の赤土の赭(しゃ)が有名であったので,そこからきた色名である。
9月:海松茶(みるちゃ) 海松茶(みるちゃ)
海松色(みるいろ)の茶がかった色をいう。媚茶(こびちゃ)もこれと似た色で,オリーブの系統に入る色である。
8月:人参色(にんじんいろ) 人参色(にんじんいろ)
英名のキャロットオレンジ(carrot orange)の人参色は赤身のオレンジ系の色である。鬼ゆりの花の色タイガーリリー(tiger lily)もこの色に近い。
7月:瓶覗(かめのぞき) 瓶覗(かめのぞき)
藍染のもっとも淡い色で, あい がめ を覗いた程度にちょっと染めたという意味からきた色名である。覗色(のぞきいろ)ともいい,白藍色(びゃくらんいろ)も同系色である。
6月:卵色(たまごいろ) 卵 色(たまごいろ)
鶏卵の黄味のような赤みの黄色をいう。飼料によって卵の黄味の色は違ってくるが,大体赤みの黄色である。
5月:鸚鵡緑(パロットグリーン) 鸚鵡緑(パロット グリーン)
おうむのパロット(parrot)の羽毛に見られる鮮やかな緑をいう。訳名として鸚緑(おうりょく)の名がある。明治初期刊行の文部省刊色図にこの名がある。
4月:薄紅藤(うすべにふじ) 薄紅藤(うすべにふじ)
藤色の赤みがかった色を紅藤というが,それのさらにうすい色をいう。英名ではペールライラック(Pale lilac)がこれに当る。
3月:淡水色(うすみずいろ) 淡水色(うすみずいろ)
水色のうすい色をいう。古い貴族時代は濃い色ほど高位の色とされ,権力と経済力の象徴となっていたが,鎌倉時代以降に色彩が庶民に開放されるようになってから,いろいろな調子の色がでてくるようになった。
2月:濃紫(こきむらさき) 濃 紫(こきむらさき)
日本書紀によれば大化の改新後に7色13階の冠の制ができ,その最高位に深紫(ふかきむらさき)が挙げられている。それ以来紫は諸臣の服色の最高位をしめていた。濃紫を単に濃色(こきいろ)といった。
1月:クリーム クリーム
クリーム(cream)の白っぽい黄色で,この色名は一般に慣用されている。フランス名ではクレーム(crème)という。

これまでの背景色(2016年1月~12月)

12月:錆浅葱(さびあさぎ) 錆浅葱(さびあさぎ)
浅葱色の彩度の低い色をいう。浅葱色,錆浅葱,浅葱ねず,深川ねずと彩度の低くなる順に色名も替えている。このような色の調子の変化に応じた色名を生みだす感覚はやはり日本人の細やかな感受性を示していよう。
いっこんぞめ
11月:灰汁色(あくいろ) 灰汁色(あくいろ)
灰汁色は草木染めの媒染材として用いられる灰汁(あく)からきた色で,これも黄茶の色みをもったグレイに近い色である。英名では,アッシュグレイ(ash gray)である。
10月:山吹茶(やまぶきちゃ) 山吹茶(やまぶきちゃ)
黄金色(こがねいろ)の名もあり,代表的なゴールド系の色である。金色というと,金光沢をもつ本物の金の色になるが,色名としてのゴールドは光沢は別にして,その色だけを言っている。
9月:山鳩色(やまばといろ) 山鳩色(やまばといろ)
山鳩の羽毛の色からきた色名であり,別名に麹塵(きくじん),青白橡(あおしろつるばみ)の名があり,この染め色はメタメリック現象で色が緑から紫まで変化する。天皇の平時の袍の色とされ,禁色とされていた。
8月:鉄紺(てつこん) 鉄 紺(てつこん)
鉄色と紺色の中間の暗い緑みの青をいう。紺は紫みの青だが鉄紺と言えば緑みをおびた色をさす。活色(かついろ),勝色(かちいろ)の名がある。
7月:ラベンダー(ライト バイオレット) ラベンダー(ライト バイオレット)
ラベンダー(lavender)はシソ科の植物で,芳香のあるその花のようなうす青紫をいう。フランス名はラバンド(lavande)という。
6月:黄水仙(きすいせん) 黄水仙(きすいせん)
水仙の花に見る明るい黄色をいう。英名ではダフォディルイエロー(daffodil yellow),フランス名ではジョンキル(jonquille)という。
5月:木賊色(とくさいろ) 木賊色(とくさいろ)
木賊色(とくさいろ)も古い色名である。シダ類の木賊は茎が固く,これでこすって木面などをなめらかにするのに使われた。その茎の色からきた色名である。
4月:つつじ色 つつじ色
つつじの花に見る赤紫をいう。このように鮮やかな色は昔は表し得なかっただろうが,躑躅(つつじ)重ねがある。これは表が紅梅,裏が青(緑)とあるが対照的な配色でこういう重ねは藤原時代のものであろう。
3月:古代紫(こだいむらさき) 古代紫(こだいむらさき)
紫草の根を材料として染める紫は,今日の合成染料による彩度の高い紫は望むべくもなかった。今日の紫に対比して,昔のにぶい調子の色を古代紫といった。京紫も同じような色である。
2月:紺鼠(こんねず) 紺鼠(こんねず)
鼠色に紺色がかった彩度の低い色をいう。藍鼠と似ているが,それよりやや暗く紫みがかっている。
1月:濃藍(こいあい) 濃藍(こいあい)
藍染めの濃い色をいう。藍を濃く染めると色相は紫みに傾くが,これよりもっと濃く紫みがかれば紺色となる。インド原産の藍のインディゴ(indigo)は紀元前から染色に使われていて,あらゆる民族の青の基本色をつくった。

これまでの背景色(2015年1月~12月)

12月:黒紫(くろむらさき) 黒紫(くろむらさき)
紫根で染めた紫は重ね染めを幾度か行なっていると黒みをおびて深紫(ふかきむらさき)となる。これを黒紫とも言った。
11月:深支子(こきくちなし) 深支子(こきくちなし)
支子(くちなし)の実から採る黄色色素で濃く染め,紅染めを上がけして,やや赤みにした色をいう。この色名は延喜式の中にもある。
10月:しゅろ しゅろ色
棕櫚(しゅろ)の毛のような灰みの茶をいう。明治初期に刊行された文部省刊色図で茶系の低彩度な色をいうのにこの名がある。
9月:そひ そひ
延喜式にある そひ は素緋(そひ)で緋のうすい色をいった。茜根の灰汁媒染で染めた色である。
8月:紫根色(しこんいろ) 紫根色(しこんいろ)
紫草の根に含まれている色素はそのままでは赤みを呈している。これで染めて乾燥すると深い紫になる。紫根の色素は揮発性をもっており,傍にあるものに色を移し染まるので,この色はゆかりの色とされている。
7月:紺 碧(こんぺき) 紺碧(こんぺき)
紺碧の空などといい鮮やかな青を形容した言葉である。碧(へき)は碧石の青緑色からきている。この場合の紺はむしろ語感を強めるのにそえられたのであって,鮮明な緑みの青を言ったものである。
6月:木蘭色(もくらんじき) 木蘭色(もくらんじき)
大宝衣服令に木橡(きつるばみ)の名があり,木欄色(もくらんじき)はこの木橡と同じとされた。印度などに産する植物のミノバランで染めた色を云った。
5月:緑青(ろくしょう) 緑青(ろくしょう)
日本画の絵の具の緑青(ろくしょう)は奈良朝の時代に中国から伝来した。古い建造物の銅葺きの屋根や,青銅の古い記念像などは,長い年月の間に酸化して緑青を生じ,美しい緑青色を呈するようになる。(6月の誕生色)
4月:長春色(オールド ローズ) 長春色(オールド ローズ)
英名のオールドローズ(old rose)はローズのにぶい調子の色をいう。彩度が低くなってにぶい調子になる色に英名ではoldの形容詞をつけて呼ぶことがある。この色は大正時代に流行し,長春色の名を当てた。
3月:ねこやなぎ色(サロー) ねこやなぎ色(サロー)
ねこやなぎのソフトな感触と色は,見る人の心をとらえるが,なんという色名で呼べばふさわしいかをさがしたらサロー(sallow)という英名があった。それがねこやなぎのことをいう語でもあった。
2月:緋褪色(ひざめいろ) 緋褪色(ひざめいろ)
緋色のあせたような,にぶい調子の赤系の色をいう。古代から赤には厄除けの信仰があった。鮮やかな赤でなくとも厄除け効果を期待して赤色が使われた。
1月:灰白(はいじろ) 灰白(はいじろ)
灰みがかった白をいう。霜のような白のフロスティホワイト(frosty white),真珠のような白のパールホワイト(pearl white)の名がある。

これまでの背景色(2014年1月~12月)

12月:茄子紺(なすこん) 茄子紺(なすこん)
茄子の実の表皮の色からきた色名で,紺色より紫によった暗い青紫をいう。紫紺(しこん)ともいう。この色名は大正時代に生まれた。
11月:朱色(しゅいろ) 朱色(しゅいろ)
朱という色名が染織に使われたのは昭和の初めであり,英名のバーミリオン(vermilion)にあたる。バーミリオンは人工の朱色顔料の名である。天然の朱は辰砂から採る顔料で,もっと紫みをもった,くすんだ色である。(11月の誕生色)
10月:枯草色(かれくさいろ) 枯草色(かれくさいろ)
枯草のようなにぶい赤みの黄色をいう。すすきやかやの群生するところは秋になると一面この色におおわれる。襲の色目(かさねのいろめ)に枯色の名がある。表が薄香,裏が青(緑)とされていた。
9月:小豆色(あずきいろ) 小豆色(あずきいろ)
赤小豆のような色をいう。英名にはラセットブラウン(russet brown)の名がある。日本で祝儀のときに赤飯をたくのも厄除けの意味があったようである。
8月:唐紅花(からくれない) 唐紅花(からくれない)
延喜式に準拠して染めると完全な紅の色素だけの色になる。紅花に含まれる黄色色素を除去するため一旦麩に染めつけたものをアルカリで再度抽出して,改めて絹に染めなおすという,二度の手間をふんだ染め色である。紅染めは高価なもので高貴な色とされた。
7月:プラム プラム
プラム(plam)は西洋すももの色に見る暗い赤紫をいう。それより彩度の高い色に紫水晶のアメシスト(amethyst)の名がある。(5月誕生色)
6月:水浅葱(みずあさぎ) 水浅葱(みずあさぎ)
水浅葱(みずあさぎ)も浅葱のうすい色をいうが,薄浅葱よりやや鮮明である。このような鮮明な色が出てくるのは合成染料が輸入されてた明治中期以降のことである。
5月:若芽色(わかめいろ) 若芽色(わかめいろ)
若芽のようなソフトな黄緑色をいう。英名ではスプロウト(sprout)があり,フランス名ではブールジョン(bourgeon)という。
4月:青藤(あおふじ) 青藤(あおふじ)
藤色がかった紫みの青のうすい色をいう。英名で言えばラベンダーブルー(lavender blue)といえよう。
3月:若紫(わかむらさき) 若紫(わかむらさき)
若の形容は明るく新鮮なイメージを言ったものだから,若紫は明るい紫をいう。昔の草木染めではこれだけの彩度は出そうもない色である。
2月:花浅葱(はなあさぎ) 花浅葱(はなあさぎ)
花色は露草の色であり,それと浅葱色との中間の色を花浅葱(はなあさぎ)と言った。これもことばのひびきの美しい色名である。
1月:紅梅色(こうばいいろ) 紅梅色(こうばいいろ)
紅梅の花の色からきた色名,平安時代の王朝人は重ね着の衣装の配色を自然の風物の色から採り入れ,それに草花などの名をとって襲(かさ)ねの色目の名としたが,紅梅重ねは表紅梅色,裏蘇芳とある。

これまでの背景色(2013年1月~12月)

12月:ベージュ ベージュ
ベージュ(beige)は晒さない羊毛のそのままの色からきた色名で,もともとはフランス名である。日本でもこの名はピンクと同様に一般化して,生成り(きなり)の色の範囲を総称する名として慣用されている。
11月:抹茶色(まっちゃいろ) 抹茶色(まっちゃいろ)
茶道で用いる抹茶のようなやわらかな感じの黄緑をいう。これはブラウンの茶色ではない。ソフト感覚が流行するときにはこの色も出てくる。
10月:芥子色(からしいろ) 芥子色(からしいろ)
芥子菜の種子を粉末にして香辛料とするが、その芥子からきた色名である。英名はマスタード(mustard)である。フランス色名にカリー(cari)の名があるが、これはカレー粉の色である。
9月:青磁色(せいじいろ) 青磁色(せいじいろ)
平安時代に中国から青磁という磁器が伝来した。青磁の発色には黄み,青みや,濃・淡の色の巾があり,普通青磁色は砧青磁(きぬたせいじ)と言われるものの白みをもった緑色を言った。。
8月:蜜柑茶(みかんちゃ) 蜜柑茶(みかんちゃ)
蜜柑色(みかんいろ)の茶がかった色をいう。大正の頃から大衆の間で言われだした色名のようである。
7月:シアン ブルー シアン ブルー
シアンブルー(cyan blue)はマゼンタ,イエローとともに色料の三原色に選ばれている鮮やかな緑みの青で,原色版印刷の青版にはこの色相のインキが使われる。
6月:黄土色(おうどいろ オーカー) 黄土色(おうどいろ オーカー)
無水珪酸,アルミニゥム,酸化第2鉄を含む黄色っぽい天然の土をオーカー(ochre)といい,顔料として古くから用いられた。その色を黄土色という。黄みがかった黄土色のイエローオーカーは絵の具の色として知られている。
5月:エメラルドグリーン エメラルド グリーン
宝石のエメラルド(emerald)のような澄んだ鮮やかな緑をいう。フランス名ではヴェルエメロード(vert emeraude)という。
4月:サックスブルー サックスブルー
サックスブルー(saxe blue)はサキソニーブルーという酸性染料で染めた色をいい,この染色ではあまり濃い色は得られない。
3月:たんぽぽ色 たんぽぽ色
たんぽぽの花に見る鮮やかな黄色で,大体黄色の中心に近い色である。英名ではダンディライアン(dandelion)という。
2月:松葉色(まつばいろ) 松葉色(まつばいろ)
松葉の色に見る緑をいう。襲(かさ)ねの色目の松重ね,安土桃山時代の大障屏画の松の緑,能舞台の松の緑など,松葉色は日本の伝統的色彩のひとつであろう。
1月:猩々緋(しょうじょうひ) 猩々緋(しょうじょうひ)
ケルメス(かいがら虫)から採った色素で染めた。南蛮渡来の毛氈(もうせん)の色にこの名がつけられたのは江戸時代の初期であった。

これまでの背景色(2012年1月~12月)

12月:橙色(だいだいいろ) 橙色(だいだいいろ)
オレンジの果実の表皮に見る色で,英名ではオレンジピール(orange peel)の名がある。橙はオレンジの訳名だが,今は橙というよりオレンジとそのまま言った方が通りがよい。
11月:海松色(みるいろ) 海松色(みるいろ)
浅海の岩石に着生する緑藻(みどりも)の海松(みる)からきた色名である。海松の形を図案化した模様は平安時代のものにも残っている。
10月:藍色(あいいろ) 藍色(あいいろ)
藍色がこのような青系の色目に定着してきたのは,藍染めの技法が発達してきた江戸時代以降のことであった。これが現在に伝承されている藍色といってよかろう。中古以前は山藍の摺染めの緑色を藍色としていて,延喜式でも藍草と黄蘗で染めた緑系の色を深藍色,中藍色,浅藍色としていた。中古以前は緑系の色目であった。
9月:鶸色(ひわいろ) 鶸色(ひわいろ)
鶸の羽毛からきた色名。実際に鶸の色はこれほどきれいな色ではないかもしれないが,色名は記憶されるイメージからくるものだから,きれいな方向に強調されることもある。
8月:桑の実色(くわのみいろ) 桑の実色(くわのみいろ)
桑の実の色からきた暗い紫をいう。桑の実は野趣のある味で食べられる。桑の木は草木染の材料となるが,その染め色は紫ではない。
7月:孔雀青(ピーコック ブルー) 孔雀青(ピーコック ブルー)
ピーコック ブルー(peacock blue)は孔雀の羽根の中に見るさえた青をいう。孔雀青はその訳名である。
6月:レモンイエロー レモン色(レモンイエロー)
レモンの表皮に見るやや緑みがかった黄色をいう。黄色のなかでは爽やかな感じのする色である。レモンイエロー(lemon yellow)は絵の具の色でもなじみぶかい。明治の時代はこれに檸檬(ねいもう)色と訳名を当てた。
5月:せんざいみどり 千歳緑(せんざいみどり)
常磐緑(ときわみどり)と同じく常緑の樹の色からきた色名だが,古木の更に暗い緑を言ったものであろう。
4月:うすべに 薄紅(うすべに)
紅染めのうすい色をいう。退紅(たいこう)という名もある。退紅はまた粗染(あらぞめ)ともいう。紅染めの色が禁色とされていた時代にも,この程度のうすい色は許色(ゆるしいろ)で使うことができた。
3月:とりのこいろ 鳥の子色(とりのこいろ)
鳥の子という和紙がある。そのような白に近い色をいう。英名には卵の殻の色エグシェル(egg shell)という名があり,同じような色である。
2月:こんいろ 紺色(こんいろ)
藍染めのごく濃い色をいう。藍染めの専門業を紺屋と言ったことから,染め屋をみな紺屋というほどに,紺の名はポピュラーとなった。英名にネイビーブルー(navy blue)があり,これも紺色に相当する。(9月誕生色)
1月:わかむらさき 若紫(わかむらさき)
若の形容は明るく新鮮なイメージを言ったものだから,若紫は明るい紫をいう。昔の草木染めではこれだけの彩度は出そうもない色である。

これまでの背景色(2011年1月~12月)

12月:栗梅(くりうめ) 栗梅(くりうめ)
伝統色名には赤紫みがかった色に梅の字のつく色名がある。その点からいって,栗梅は紫みがかった栗色のような色をいう。絵の具のバーントシエンナはこれに似た色である。
11月:黄朽葉(きくちば) 黄朽葉(きくちば)
朽葉は平安時代の装束の色名にある。稲科の植物で染める。その色の範囲は広く,そのなかで黄みによった色を黄朽葉,青みによった色を青朽葉などと呼んだ。
10月:錆納戸(さびなんど) 錆納戸(さびなんど)
納戸色(なんどいろ)の彩度の低い色をいう。このような錆びの色の使用が,江戸時代に武家から民衆の間にまで浸透していって,“しぶい”と言われる独特な色彩感覚を培うことになった。
9月:小鴨色(ティール グリーン) 小鴨色(ティール グリーン)
鴨(かも)の首のあたりに光沢のある濃い青緑色が見られる。その色からきたティールグリーン(teal green)という名がある。
8月:水色(みずいろ) 水色(みずいろ)
青の明るいうすい調子の色範囲を空色の系統とすると、水色もその系統だが、空色よりも緑みによった色を一般に水色というのである。英名はアクア(aqua)という。
7月:支子色(くちなししろ) 支子色(くちなしいろ)
支子(くちなし)の花は白くて香りが強いが、その実から採る色素は黄色で、これで染めた色をいう。黄支子とも言われる。くちなしだから(言わぬ色)ともいった。
6月:ライラック ライラック
ライラック(lilac)の花に見る色。ライラックはモクセイ科の草木で芳香がある。色もなんとなく香しい感じがあって女性好みの色である。フランス名はリラ(lilas)という。
5月:あさぎいろ 浅葱色(あさぎいろ)
伝統色名の浅葱色(あさぎいろ)は、青みがかって見える葱の色からきた色名である。藍染めの浅い色の緑みを言ったのだが、これほどの彩度はでない。今日では、合成色料ででる鮮明な色範囲まで浅葱色の名で呼ばれる。
4月:わかみどり 若緑(わかみどり)
明るく新鮮な感じの緑をいう。明るい緑に若の形容をつけ、暗くくすんだ緑に老の形容をつけて呼ぶ言いかたが伝統的にあった。古い伝統色名での若緑はむしろ若葉緑のような黄みの緑をいった。
3月:ときいろ 鴇色(ときいろ)
国際保護鳥の鴇(とき)は現在日本の佐渡島に数羽しかいない。鴇色の名は江戸時代から使われている。鴇の風切羽根がピンクで、飛ぶ姿にその美しい色が見られる。
2月:あめいろ 飴色(あめいろ)
透明感のある飴のような色をいう。銅の色のカッパー(copper)という色名もこれに近い。
1月:あかねいろ 茜色(あかねいろ)
茜草の根を染料としたのは非常に古く、地中海沿岸に産するマダー(madder)が西洋茜根で、昔トルコ人の被った帽子のトルコ赤も茜根染であったという。

これまでの背景色(2010年1月~12月)

12月:ターコイズ ブルー ターコイズ ブルー
ターコイズブルー(turquoise blue)はターコイズの青みがかった色,緑みの青をいう。これの緑みがかった色はターコイズグリーンという。ターコイズは合成色料による人工色彩の幕あけを象徴するような色である。
11月:まっちゃいろ 抹茶色(まっちゃいろ)
茶道で用いる抹茶のようなやわらかな感じの黄緑をいう。これはブラウンの茶色ではない。ソフト感覚が流行するときにはこの色も出てくる。
10月:おうに 黄丹(おうに)
延喜式にこの名がある。支子(くちなし)の下染めに紅花を染め重ねた色である。丹(に)は赤をいう古語であり,黄丹は今でいうオレンジに近い色で,黄丹の衣(おうにのきぬ)は皇太子の正式の礼服の色として定められていた。
9月:てついろ 鉄色(てついろ)
鉄色の名は,呉須(ごず)という陶器の釉薬(うわぐすり)に用いる藍色顔料の色に鉄分を含んでいることからきたものである。
8月:こうじいろ 柑子色(こうじいろ)
柑子は橘(たちばな)と同じで,その実からきた色名である。明治初期に刊行された文部省刊の色図にこの名がある。蜜柑色(みかんいろ)と同じような色で,オレンジピールよりもやや黄みのオレンジ色である。
7月:しんばしいろ 新橋色(しんばしいろ)
大正初期に流行した色で,当時の花柳界ではハイカラの方の新橋芸者連中が着はじめたところからこの名がある。輸入された合成染料で,はじめて出た鮮明な浅葱系の色に新鮮な魅力を感じての流行であったろう。
6月:すみれいろ バイオレット 菫色(すみれいろ)バイオレット
菫の花に見るきれいな青紫色をいう。“菫の花咲く頃”の歌にもある宝塚歌劇団の袴の色であった。英名ではバイオレット(violet)である。スペクトルの短波長の末端に見る色でこれより短い波長は菫外線(紫外線)となる。
5月:やまぶきいろ 山吹色(やまぶきいろ)
山吹の花の色からきた色名,大田道灌の“山吹の実のひとつだになきぞ悲しき”の言葉は残っているが,今は山吹の花もあまり見られない。この名はクレヨン,パスなどの色に残っているだけである。
4月:ターコイズ グリーン ターコイズ グリーン
ターコイズ(turquoise)は明るい青緑の緑みから青みの範囲を総称する名となっているが,もとはペルシャやトルキスタンに産する宝石のトルコ石の色からきた色名である。西欧では一般に慣用されている色名である。
3月:ももいろ 桃花色 (ももいろ)
桃の花の色からきた色名。古くからあった色名だが、今は桃色というと何かセクシーなイメージに屈折してしまうようだが、英語のピンクは健康や幸福を象徴するいたって健全な色とされている。
2月:びゃくろく 白緑 (びゃくろく)
日本画の絵の具の白緑(びゃくろく)は、緑青(ろくしょう)を細かく粉砕にすると白っぽい緑になるので、この名がある。
1月:べにいろ 紅色(べにいろ)
奈良時代から化粧料として用いられた紅は,中国から伝来した紅花から採った色素で,やや紫みがかった赤である。現在もこのような紫みがかった赤を紅色といっている。

これまでの背景色(2009年1月~12月)

12月:ときわみどり 常盤緑(ときわみどり)
常盤樹(ときわぎ)の濃い緑色からきた色名である。常盤色(ときわいろ)ともいう。
英名にはエバー グリーン(ever green)がある。
榊(さかき)、クリスマスのひいらぎなど常盤緑は神事や祭礼には欠かせない。
11月:こういろ 香色(こういろ)
丁字(ちょうじ)の木の煎汁で染めた色を香色と名付けたのは、丁字の香りを想ってのことか、またはほんのりと赤みの匂うことを言ったのであろうか、アイディアに富んだすばらしい命名である。
10月:きんちゃいろ 金茶色(きんちゃいろ)
金色の感じの茶で、赤みをおびたゴールド系の色。英名にはブラウンゴールド(brown gold)の名がある。
9月:むしくりいろ 蒸栗色(むしくりいろ)
栗の果肉を食用としたことは古事記や万葉集にもある。蒸した栗の果肉の色からきた色名である。
8月:あいじろ 藍白(あいじろ)
ごくうすい藍染めの色をいう。藍瓶(あいがめ)を覗いた程度にちょっと染めた色という意味から、瓶覗き(かめのぞき)という名がある。
7月:ひまわりいろ ひまわり色
ひまわりの花のように鮮やかな赤みがかった黄色をいう。英名にはサンフラワー(sun flower)の名があり太陽の暖かさを充分に吸いこんだような色である。
6月:つゆくさいろ 露草色(つゆくさいろ)
露草の花に見る色、この花をすった汁を青花といい、染色の下絵をかくのに用いた。万葉人はこれを着草(つきくさ)と呼び、これで衣を染めたこともあった。月草の名はそこから生まれた。この色は花色ともいう。
5月:わかなえいろ 若苗色(わかなえいろ)
稲の若苗のような色、春の七草のイメージから若菜色の名もある。英名のシャルトルーズグリーンがこれに当るが、これはフランスやスペインの修道士がつくったリキュール酒の色からきている。
4月:すおういろ 蘇枋色(すおういろ)
豆科の樹の蘇枋の煎汁を赤色染料として用いることは奈良朝時代からあり、紅染めのようなゆかしさはないが赤系の色に染まる。蘇枋は日本では産しない熱帯の植物で、これが中国から渡来したものらしい。
3月:さくらいろ 桜 色(さくらいろ)
桜の花のようなうすいピンク。伝統色名にはこれと似た色に一斤染(いっこんぞめ)という名がある。紅花一斤で絹一匹を染めた紅染めのうすい色をいう。襲(かさね)の色目の名称としても古くからある色名。(3月誕生色)
いっこんぞめ
2月:わかくさいろ 若草色(わかくさいろ)
若草のような新鮮な黄緑をいう。英名でもフレッシュグリーン(fresh green)の名がある。黄緑系、緑系の色に若の形容詞がつくことが多いことから、この範囲の色は若さを象徴する色といえよう。
(2月誕生色)
1月:こきひ 深緋(こきひ)
大宝令、延喜式の服色にこの名がある。深緋(くろあけ)または(ふかきあけ)と読んだ。茜根(あかね)に紫紺(しこん)を混ぜて染めた。しかし、実際はもっと彩度の低い色であったろう。(1月誕生色)
あかね しこん

これまでの背景色(2008年2月~12月)

12月:さくらねず 桜鼠(さくらねず)
桜色がかった明るいグレイをいう。英名ではピンクグレイ(pink gray)である。
11月:かきいろ 柿色(かきいろ)
照柿の実のような色をいう。歌舞伎の世界で言われる柿色は、この色ではなく、団十郎茶と言われている茶がかった色である。
10月:わらいろ 藁色(わらいろ)
稲を乾燥した藁(わら)の色の、にぶい中間色調の黄色系の色をいう。和室の畳(たたみ)は乾燥した(いぐさ)で作り、新しいうちは青畳といい、これよりもっと緑みによった色である。
9月:りんどういろ 竜胆(りんどう)は秋の野花で、その花に見るようなやわらかい感じの青紫をいう。
8月:るりいろ 瑠璃(るり)は天然ウルトラマリンの原鉱石であるラピスラズリ(lapis lazuli)をいい、昔から七宝のひとつとして珍重された。その色からきた色名である。
7月:そらいろ 空色のスカイブルー(sky blue)は青空のように明るい青をいうが,空の色は変化が大きい。したがってかなり巾のある青の明るい色の範囲を総称する名として用いられる。
6月:こけいろ 苔の色からきた色名,英名はモスグリーン(moss green),フランス名はヴェルムス(vert mousse)である。苔の色は種類によって色も多少異なり,もっと鮮やかに見えるものもある。
5月:きすいせん 水仙の花に見る明るい黄色をいう。英名ではダフォディルイエロー(daffodil yellow),フランス名ではジョンキル(jonquille)という。
4月:ピンク ピンク系統と言われるように,ピンクの名は色の系統別範囲をいう一般的色名になっているが,この語源は,ナデシコ科の石竹(せきちく)の花の色からきている。フランス色名ではピンクのことをローズ(rose)という。
3月:ひわもえぎいろ 鶸色(ひわいろ)よりも緑みによった色で,萌葱色(もえぎいろ)との中間の色をいう。ことばのひびきがことさら美しい色である。
参考:ひわいろ、もえぎいろ
2月:こうばいいろ 紅梅の花の色からきた色名,平安時代の王朝人は重ね着の衣装の配色を自然の風物の色から採り入れ,それに草花などの名をとって襲(かさ)ねの色目の名としたが,紅梅重ねは表紅梅色,裏蘇枋(すおう)とある。
参考:すおういろ
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